琵琶（びわ）は、東アジアの有棹（リュート属）弦楽器の一つです。西方アジアのウードや西欧のリュートと共通の起源で、五弦系(直頚)の琵琶はインドが起源とされており、糸倉は曲がらず真っすぐに伸びています。皆さんご存知の、正倉院に唯一の現物である「螺鈿紫檀五絃琵琶」が保存されています。

筑前琵琶は、「語りもの」音楽です。単なる歌とも違い、楽器を演奏するだけでもなく、楽器（筑前琵琶）の弾法で「哀しい別れの場面」や「激しい合戦」の場面や、日本人の繊細で凛とした美しい精神性を表現する事ができる、非常に優れた音楽です。金属やスチール絃ではなく、古来からの樹木と絹糸で出来た、妙なる調べを愛した日本の心です。

日本人がずっと生きて来た足跡を消さないためにも、「語り」つづけるのが「琵琶楽」だと思います。